2025年9月29日にスタートしたNHK連続テレビ小説『ばけばけ』。
そのオープニング映像で話題となっているのが、これまでの朝ドラにはない「静止画」だけで構成された斬新なタイトルバックです。
この美しい夫婦の写真を撮影したのが、写真家の川島小鳥さん。
静止画オープニングが「朝ドラ史上最高に癒やされる」と視聴者から絶賛されている背景には、川島小鳥さんの卓越した写真技術と感性が大きく関わっています。
では、この川島小鳥さんとは一体どのような写真家なのでしょうか。
代表作品から最新の活動まで、詳しく解説していきます。
写真家・川島小鳥とは?基本プロフィールと経歴
川島小鳥(かわしま・ことり)さんは、1980年東京都生まれの男性写真家です。
早稲田大学第一文学部仏文科を卒業後、写真家の沼田元氣氏に師事し、写真の道に進みました。
現在44歳となる川島さんは、写真界で最も注目される若手写真家の一人として活躍しています。
川島さんの写真は、人物を中心としてその周りにある風景を撮影し、「瞬間瞬間をみずみずしく切り取る」スタイルが特徴的です。
ノスタルジックな世界観と見る者を引き込む独特の表現力で、多くのファンを魅了し続けています。
写真家・川島小鳥:代表作品と輝かしい受賞歴
デビュー作『BABY BABY』(2007年)
川島小鳥さんは2006年に『BABY BABY』で第10回新風舎・平間至写真賞大賞を受賞し、翌年2007年に写真集として出版してデビューを果たしました。
この作品は友人を被写体とした作品で、川島さんの写真家としてのキャリアの出発点となりました。
『未来ちゃん』(2011年)で講談社出版文化賞写真賞受賞
2011年に発表した『未来ちゃん』は、川島さんの代表作として広く知られています。
佐渡島在住の友人の3歳の娘を被写体に、島の四季とともに1年間撮影したこの作品は、「BRUTUS」の表紙に起用されるなど大きな話題を集めました。
累計発行部数9万部を超える大ヒット作品となり、現在は13万部に達しています。
この作品により、川島さんは第42回講談社出版文化賞写真賞を受賞し、写真家としての地位を確立しました。
『明星』(2014年)で木村伊兵衛写真賞受賞
2015年には、3年間にわたって台湾で撮影した写真集『明星』で第40回木村伊兵衛写真賞を受賞しました。
この賞は「写真界の芥川賞」とも称される権威ある賞で、川島さんの写真家としての実力が高く評価された証拠です。
『明星』は台湾の少年少女を撮影した作品で、縦と横を組み合わせた変則製本にもこだわった渾身の一作となっています。
帯コピーの「ここはぼくらのたのしい星」には、あらゆるものを写したかったという川島さんの思いが込められているそうです。
川島小鳥:エンターテインメント業界での幅広い活動
音楽業界での活躍
川島小鳥さんは、写真集制作だけでなく音楽業界でも幅広く活動しています。
中でも注目すべきは、3ピースロックバンド「SHISHAMO」との長期にわたるコラボレーションです。
SHISHAMOとの継続的なコラボレーション
2013年から川島さんはSHISHAMOのデビューアルバム『SHISHAMO』のジャケット写真とアーティスト写真を担当し、その後も様々な作品を手がけています。
2016年には同バンドの『中庭の少女たち』のミュージックビデオで初の映像監督を務めました。
このMVでは女優の森川葵さんが主演を務め、写真家から映像監督への新たな挑戦として話題になりました。
2025年には最新曲「運命と呼んでもいいですか」のMVでも監督を担当し、俳優の青木柚さんを起用するなど、継続的な関係を築いています。
星野源との最新コラボレーション
2025年1月には、星野源さんの新曲「Eureka」のミュージックビデオで監督・撮影を手がけました。
このMVは星野さんの楽曲制作現場に約1週間密着し、ゆっくりと流れる時間の中で撮影されたフッテージで構成されています。
星野さんと10年来の付き合いがある俳優の仲野太賀さんもカメオ出演し、川島さんの人脈の広さとエンターテインメント業界での信頼度の高さがうかがえます。
アイドル・タレントの写真集制作
川島さんは乃木坂46の西野七瀬さんの写真集『風を着替えて』(2016年)の撮影も担当しました。
マルタ共和国とイタリアで撮影されたこの作品は、デザインをブックデザイン界の巨匠・祖父江慎が手がけ、「時代の才能が集まった作品」として話題になりました。
川島小鳥『ばけばけ』オープニング映像制作の背景
ポスタービジュアルとの一体感
『ばけばけ』のオープニング映像で川島小鳥さんが起用された理由について、制作統括の橋爪國臣さんは「ポスタービジュアルと同じ世界線でやれたらいいなと思い、川島さんにお願いしました」と説明しています。
川島さんは『ばけばけ』のポスタービジュアルも担当しており、一貫した世界観の構築が重要視されていたことがわかります。
主題歌を活かす静止画構成
オープニングが静止画で構成された理由について、橋爪さんは「ハンバート ハンバートさんの主題歌もドラマに寄り添った曲で、それを殺してしまわないようなものにしたい」と語っています。
「曲がゆっくり聞けるようなオープニングにしたいなと思いました」とし、川島さんの写真が主題歌の世界観を深める役割を果たしていることを強調しました。
撮影現場での工夫
撮影は島根県松江市で行われ、高石あかりさん、トミー・バストウさん、川島さんの3人だけの空間を作って進められました。
橋爪さんは「撮影中は3人だけの空間を作りました」「他のスタッフは見えないところで見守り、自然な環境を作って、自由に撮ってもらって上がってきた写真です」と撮影環境について説明しています。
川島さんからは「渾身のセレクトがこれです」として約220枚の写真が提出され、「すべてが素晴らしい」と絶賛されています。
『ばけばけ』の視聴者からの反響
『ばけばけ』のオープニング映像は初回放送から大きな反響を呼びました。
SNSでは
「朝ドラ史上最高に癒やされるOP」
「新しい。OPが川島小鳥さんの写真(静止画)なのも新鮮」
「従来の朝ドラテイストだけど、映像が主演夫婦のスナップ写真というのが、地味に攻めているなあ」
といった称賛の声が相次いでいます。
優しい音楽と自然光が美しい写真の数々に、多くの視聴者が心を動かされており、川島さんの撮影技術の高さが改めて証明されています。
川島小鳥:最新の活動と今後の展開
継続的な写真集制作活動
2024年には写真集『vocalise』と新装版『未来ちゃん』を連続刊行し、各地で刊行記念展も開催されました。
川島さんは「常に本とともに」写真家としての道のりを歩んでおり、今後も意欲的な写真集制作活動が期待されています。
韓国での個展開催
2025年2月26日から10月12日まで、韓国初の個展がソウル美術館で開催。
この個展では、デビュー作「BABY BABY」から最新作「サランラン」まで、300点以上の作品が展示されています。
特に注目されているのは、2023年9月から2024年3月まで半年間ソウルで撮影を続けた最新作「s(e)oulmate」「사랑랑(サランラン)」の公開です。
写真集『サランラン』の刊行
この韓国での撮影をまとめた写真集『サランラン』が青幻舎から2025年5月に発売されました。
秋から春のはじまりまでにかけてのソウルの風景や現地で出会った人々を収めた作品で、
「親密さと共に、旅先で感じる寂しさ、そして心地よい孤独感を内包した写真」
として、これまでの作品とは異なった魅力があると評されています。
川島小鳥の写真の魅力
川島小鳥さんの写真の最大の魅力は、「一瞬を捉える力」にあります。
『ばけばけ』制作統括の橋爪さんも「小鳥さんはスナップの名手ですから、何かの一瞬を切り取るのにすごく長けている」と評価しています。
また、その作品は一貫して「人物を中心としてその周りにある風景を撮影し、瞬間瞬間をみずみずしく切り取る」スタイルを貫いており、見る者に深い感動を与え続けています。
写真だけでなく映像監督としても活動の幅を広げ、エンターテインメント業界全体で高い評価を獲得している点も注目すべき特徴です。
まとめ:『ばけばけ』オープニングの写真を撮影した川島小鳥さんとは?
『ばけばけ』のオープニング静止画を撮影したのは写真家の川島小鳥さん。
講談社出版文化賞写真賞と木村伊兵衛写真賞という写真界の最高峰の賞を受賞した実力派写真家です。
『ばけばけ』では、川島さんの「一瞬を捉える力」とみずみずしい表現力が存分に発揮されています。
2025年には海外での個展開催や新作写真集の刊行など、さらなる活動の広がりを見せており、今後の作品展開にも大いに注目が集まっています。
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