NHK朝ドラ『ばけばけ』で、主人公・松野トキ(髙石あかり)が雨清水傳(堤真一)や見合い相手の銀二郎(寛一郎)と訪れる「清光院」。
怪談「松風」の舞台として描かれるこの古い建物は、本当に実在するお寺なのでしょうか?
また、ドラマ『ばけばけ』で撮影された「清光院」のロケ地は一体どこで撮影されたのか、詳しく調査してみました。
『ばけばけ』の「清光院」は松江市に実在する古刹(古い寺)
『ばけばけ』に登場する「清光院(せいこういん)」は、島根県松江市外中原町194番地に実在する曹洞宗のお寺です。
この清光院は、松平家菩提寺である月照寺のすぐ隣に位置し、山号は「寶珠山」、本尊は「釈迦牟尼仏」を祀っています。
築200年ほどの歴史ある寺院で、明治12年(1879年)には島根県議会の会場にもなった由緒正しいお寺として知られています。
アクセスは松江しんじ湖温泉駅から徒歩約10分、バス停「清光院下」からは徒歩1分の立地。
現在も墓地の募集をしており(残り僅か)、地域に根ざした寺院として存在しています。
怪談「松風」の舞台として有名な清光院
清光院(せいこういん)が有名なのは、江戸時代の芸者「松風(まつかぜ)」にまつわる悲しい怪談の舞台となっているからです。
ドラマ『ばけばけ』の中でも披露されていたので、なんとなく覚えている方も多いのではないでしょうか。
松風の怪談のあらすじは次の通りです。
この事件の後、位牌堂の階段に残った松風の血の跡は、いくら拭いても木を削っても落ちることがなかったと伝えられています。
現在は血の跡は残っていませんが、明治時代半ばごろまでは確認できたとされており、『ばけばけ』の時代設定では、まだ血痕が残っていたことになります。
また、清光院では謡曲の「松風」を謡うと松風の幽霊が現れるという言い伝えも残っており、小泉八雲が愛した松江の「異界」を象徴する場所として知られています。
『ばけばけ』の清光院ロケ地は滋賀県大津市の安楽律院
興味深いことに、『ばけばけ』で清光院として映されたシーンは、実際の清光院ではなく滋賀県大津市の安楽律院(あんらくりついん)で撮影されたとのこと。
滋賀ロケーションオフィスの公式発表によると、第7回でトキと傳が訪れた清光院のシーンや、第10回でトキと銀二郎が再び訪れたシーンは、すべて大津市坂本本町4220番地にある安楽律院でロケが行われています。
『ばけばけ』清光院ロケ地の「安楽律院」について
安楽律院は985年(寛和元年)に叡桓によって創建された歴史ある寺院で、比叡山の三魔所の一つとして知られています。
江戸時代には僧侶の妙立、霊空らが厳しい戒律主義を唱導し、その一門を安楽律と呼んでここに住んでいました。
1949年(昭和24年)の火災により本堂や鐘楼など多くの建物を失いましたが、現在も荘厳な雰囲気を保っています。
この寺院は映画『るろうに剣心』3部作や大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』のロケ地としても使われた実績があります。
なぜ安楽律院で撮影されたのか
実際の「清光院」ではなく「安楽律院」で撮影された理由として、以下の点が考えられます
- 建物の状態:現在の清光院の本堂は明治時代の設定には新しく見えるため
- 位牌堂へのアクセス:実際の清光院の位牌堂は現在扉が閉められており、開けることができません
- 撮影環境:安楽律院は映画・ドラマのロケ地として頻繁に使用されており、撮影設備や許可体制が整っています
松風の井戸はセット
ドラマで印象的だった「松風の血の跡が残る井戸」は、美術スタッフが安楽律院に設置したセットであることも公表されています。
滋賀ロケーションオフィスは「作り物とは思えない自然さ」と評価しており、制作陣の技術力の高さがうかがえますね。
トキと銀二郎が辿った道のりと石橋のロケ地
『ばけばけ』では清光院に至る道中の撮影も、滋賀県大津市内で行われています。
第10回で、トキと銀二郎がお見合いの場から外に出て、2人で清光院に向かう途中で渡った石橋は、大津市日吉大社の走井橋で撮影されました。
あの石橋のシーン、なにか幻想的な雰囲気で「これどこなんだろう?」と、気なった人も多いのではないでしょうか。
このように、ドラマでは複数の滋賀県内のロケ地を組み合わせて、一つの「清光院への道のりとエピソード」を撮影していることがわかります。
現在の清光院の見どころ
実際の「清光院」は現在も参拝可能です。
以下のような見どころがあります
また、清光院は御朱印も頂くことができ、『ばけばけ』ファンや怪談好きの方々も多く訪れているようです。
小泉八雲と清光院の関係
実は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)自身は松風の怪談を書籍に残していません。
八雲は松江の様々な怪談を愛し、大雄寺の「飴を買う女」などの話を『知られぬ日本の面影』に収録していますが、清光院の松風の話は確認されていません。
ですが、清光院は小泉八雲が愛した松江の「異界」を象徴する重要な場所として『ばけばけ』の物語においても重要なスポットとして描かれています。
まとめ:『ばけばけ』の「清光院」は実在する?撮影されたロケ地を紹介
『ばけばけ』に登場する「清光院」は、島根県松江市に実在する歴史ある曹洞宗の寺院です。
現在も参拝可能で、ドラマファンの聖地となっています。
一方、実際の撮影・ロケ地は滋賀県大津市の「安楽律院」で行われており、松風の井戸もセットとして設置されました。
実在する清光院と撮影に使われた安楽律院、それぞれに歴史と魅力があり『ばけばけ』の世界観を支える重要なスポットです。
どちらの寺院も、訪れる価値のある場所として、多くの人々に愛され続けています。
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