【冬季オリンピック2026】ロシアは不参加 ?ロシアの名前がない理由を解説

【冬季オリンピック2026】ロシアは不参加 ?ロシアの名前がない理由を解説
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2026年2月6日、ついに開幕したミラノ・コルティナ冬季オリンピック

しかし、過去の大会では強豪国として多くのメダルを獲得してきたロシアの姿が、国としては見当たりません。

ロシアは出場禁止なの?

なぜロシア選手が出ていないの?

と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

実は、ロシア・オリンピック委員会(ROC)はIOC(国際オリンピック委員会)から無期限の資格停止処分を受けており、国としての参加は認められていません。

ただし、厳しい条件をクリアした一部の選手のみが「個人中立選手(AIN)」として出場しています。

この記事では、ロシアが国として冬季オリンピックに参加できない理由、AIN(個人中立選手)制度の仕組み、各競技連盟ごとの対応の違い、そして実際に出場する選手について、IOCや各競技連盟の公式発表をもとに詳しく解説します。

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目次

ロシアが2026年冬季オリンピックに「国として」参加できない理由

2022年ウクライナ侵攻によるスポーツ界からの排除

ロシアが国として2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックに参加できない最大の理由は、2022年2月に開始されたロシアによるウクライナへの軍事侵攻です。

IOCは侵攻開始直後の2022年2月28日、各国際競技連盟に対し、ロシアおよび同盟国ベラルーシの選手を国際大会から除外するよう勧告しました。

この勧告を受け、サッカーのFIFAやUEFAをはじめ、多くの競技連盟がロシア・ベラルーシを国際大会から締め出す措置を取りました。

ロシア・オリンピック委員会(ROC)の無期限資格停止

さらに決定的だったのが、2023年10月12日のIOC理事会の決定です。

IOCはロシア・オリンピック委員会(ROC)を「即時かつ無期限」で資格停止処分としました。

この処分の直接的な原因は、ROCがウクライナ東部のドネツク、ルハンスク、ヘルソン、ザポリッジャの4州(ロシアが不法に併合を宣言した地域)のスポーツ組織を承認したことです。

IOCはこれを「ウクライナ・オリンピック委員会の領土一体性を侵害する行為であり、オリンピック憲章違反」と判断しました。この処分により、ROCは以下の権利を失いました:

  • 国のオリンピック委員会としての公式活動
  • オリンピック・ムーブメントからの資金受給
  • 国としてオリンピックに選手団を派遣する権利

ROCはこの決定を「明らかな政治的動機による逆効果の決定」と批判していますが、処分は現在も継続しています。​

AIN(個人中立選手)制度とは?ロシア選手の出場条件

IOCが設けた「個人中立選手」としての参加枠

国としての参加は認められないものの、IOCは2025年9月19日、厳格な条件を満たしたロシアおよびベラルーシの選手に対し、「個人中立選手(AIN:Individual Neutral Athletes)」としてミラノ・コルティナ冬季五輪への出場を容認すると発表しました。

これは2024年パリ夏季オリンピックで採用された方針と同様のもので、IOCのカースティ・コベントリー会長は「理事会がパリ五輪とまったく同じ方針を採る」と明言しています。

AINとして認められるための厳格な条件

AINとして出場するためには、以下の厳しい審査を通過する必要があります。

1. 軍・治安機関との無関係の証明
選手はロシア軍や治安機関に属していないことを証明しなければなりません。フィギュアスケートなどでは、過去に軍関係のクラブに所属していた選手も存在するため、この条件に抵触するケースが想定されます。

2. ウクライナ侵攻への不支持の証明
2022年2月24日以降、SNSやイベント出席などを通じてウクライナでの戦争に賛意を示したことがないことが求められます。

3. 厳密なドーピング検査への協力
ロシア・ベラルーシ以外の独立機関の監督下で、「集中的オリンピック・アンチドーピング・プログラム」に従う必要があります。

4. 2022年3月1日時点でのパスポート保持
AIN資格を得るには、2022年3月1日時点でロシアまたはベラルーシのパスポートを有していることが条件です。

AIN選手に課される制限

AINとして出場が認められても、以下の制限が課されます。

  • 開会式への参加不可:選手村に滞在できても、開会式の入場行進には参加できません
  • メダルランキングへの不反映:獲得したメダルは公式の国別メダル順位表には反映されません
  • 国旗・国歌の使用禁止:表彰式でもロシアやベラルーシの国旗・国歌は使用できません
  • 専用の旗とアンセム:代わりにティール色(青緑色)の「AIN」エンブレム入り旗と、IOCが指定した専用のアンセム(インストゥルメンタル曲)が使用されます

競技連盟ごとに異なる対応|出場できる競技・できない競技

IOCがAINとしての参加を容認しても、各競技での出場を認めるかどうかは各国際競技連盟の判断に委ねられています。

そのため、競技によって対応が大きく異なっています。

参加を認めている競技連盟

国際スケート連盟(ISU):条件付きで認可

フィギュアスケート、スピードスケート、ショートトラックを統括するISUは、各種目に対しロシアとベラルーシから1名(または1組)ずつのみ出場を認めています。

ただし、フィギュアスケートの団体戦やリレー種目への参加は認められていません。

2025年12月にISUは、ロシアのフィギュアスケート選手2名とベラルーシの選手1名が予選を通過したことを発表し、北京で行われた「Skate to Milano」予選大会が出場権獲得の舞台となりました。

国際スキー・スノーボード連盟(FIS):裁判所判断で参加へ

FISは当初、2025年10月の投票でロシア・ベラルーシ選手の予選参加を全面禁止としていました。

しかし、ロシア・スキー連盟とベラルーシ・スキー連合、さらに両国の17名の選手がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴。

2025年12月2日、CASは「IOCが定めるAIN資格基準を満たす選手は、FIS予選大会への参加を許可されるべき」と裁定し、FISの禁止措置は覆されました。

この結果、アルペンスキーやクロスカントリースキー、フリースタイルスキーなどで複数の選手が出場権を獲得しています。

国際リュージュ連盟(FIL):当初禁止も裁判で覆る

FILも2025年6月の総会で、中立選手としての出場を認めない方針を投票で決定していました(賛成24、反対8)。

しかし、10月末にCASがロシア選手の復帰を認める判断を下したことで、リュージュでも2名のAINが出場することになりました。

参加を認めていない競技連盟

国際バイアスロン連合(IBU):全面禁止を維持

バイアスロンを統括するIBUは、ロシア・ベラルーシ選手の出場を一切認めていません。

IBUの規則には「中立選手の出場枠」が存在せず、2022年以来の出場停止措置が継続しているため、予選に参加することすらできません。

ロシア側はCASに提訴していますが、IBUは「強力な法的根拠がある」と自信を示しており、現時点でミラノ・コルティナ五輪でのロシア・ベラルーシバイアスロン選手の出場は不可能です。

団体競技(アイスホッケー・カーリング等):出場不可

IOCのガイドラインにより、アイスホッケーやカーリングなどの団体競技には、ロシア・ベラルーシのチームは参加できません。AIN制度は個人競技に限定されており、国を代表するチーム競技への道は閉ざされています。

2026年ミラノ冬季五輪に出場するAIN選手一覧

2026年1月27日時点で、IOCが承認したAIN選手は合計20名となっています。内訳はロシア国籍13名、ベラルーシ国籍7名です。

フィギュアスケート(3名)

選手名国籍種目備考
ピョートル・グメンニクロシア男子シングル2025年ロシア選手権優勝、五輪初出場
アデリア・ペトロシャンロシア女子シングル4回転ループを跳ぶメダル候補、五輪初出場
ビクトリア・サフォノワベラルーシ女子シングル北京予選4位で出場権獲得

その他の競技(17名)

競技人数主な選手
アルペンスキー3名マリア・シュカノワ(ベラルーシ)、ユリア・プレシュコワ(ロシア)他
クロスカントリースキー3名ダリア・ネプリャエワ(ロシア)他
フリースタイルスキー(エアリアル)3名ハンナ・フスコワ(ベラルーシ・平昌金メダリスト)他
リュージュ2名パベル・レピロフ(ロシア)他
ショートトラック2名イワン・ポサシュコフ(ロシア)他
スピードスケート3名マリナ・ズエワ(ベラルーシ)他
スキー登山1名ニキータ・フィリッポフ(ロシア)

特に注目されているのがフィギュアスケートのアデリア・ペトロシャン選手です。

4回転ループという超高難度ジャンプを成功させる実力を持ち、主要国際大会から離れていたにもかかわらず、メダル候補として名前が挙がっています。

過去の大会との比較|2022年北京五輪では32個のメダル獲得

参考までに、ロシアの冬季オリンピックにおける存在感を振り返ります。

2022年北京冬季オリンピックでは、ロシアはドーピング問題により「ROC(ロシア・オリンピック委員会)」名義での参加でしたが、金6・銀12・銅14の計32個のメダルを獲得し、メダル総数では2位(ノルウェーに次ぐ)という成績を残しました。

フィギュアスケートでは、女子シングルで金銀を独占し、ペアで銀銅、アイスダンスで銀と、圧倒的な強さを見せていました。

それが今大会では、出場するロシア・ベラルーシ出身選手はわずか20名。

2024年パリ夏季五輪でも両国から計32名(ロシア15名、ベラルーシ17名)が出場して5個のメダルを獲得しましたが、冬季競技の各連盟はより慎重な姿勢を示しており、参加人数は大幅に制限されています。

和平が実現してもロシアの「国としての参加」は認められない

IOCのコベントリー会長は、イタリア紙「コリエーレ・デラ・セラ」のインタビューで、たとえウクライナとの和平合意が成立したとしても、ミラノ・コルティナ五輪ではロシア選手が自国を代表して出場することはできないと明言しています。

これは、今大会に限ってはIOCの方針が変更されないことを意味しており、ロシアが「国として」オリンピックに復帰できるのは、早くても2028年ロサンゼルス夏季五輪以降になる可能性が高いと見られています。

ロシア政府の反応|「二重基準」と批判しつつ参加は容認

ロシア政府はIOCの措置を「二重基準」「差別的」と批判する一方で、選手個人の判断でAINとして出場することは容認しています。

ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は「選択は選手次第。アデリア・ペトロシャンが表彰台に立つなら、彼女こそが私たちの旗となる」と発言し、中立選手としての出場を事実上後押し。

一方で、ロシア・スキー連盟は出場禁止措置を「明らかに差別的」と非難し、法的手段を通じて参加の道を模索する姿勢を示しています。

まとめ:【冬季オリンピック2026】ロシアは不参加なのかを解説

2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックにおいて、ロシアは「国として」参加していません

その理由は、2022年のウクライナ侵攻を受けたIOCの制裁と、2023年のロシア・オリンピック委員会(ROC)の無期限資格停止処分にあります。

ただし、IOCは厳格な条件(軍との無関係、戦争不支持、ドーピング検査への協力など)をクリアした選手に限り、「個人中立選手(AIN)」としての出場を認めています。

最終的に参加が承認されたのはロシア・ベラルーシ合わせて20名のみで、2022年北京五輪でロシアが32個のメダルを獲得した時代とは大きく異なる状況です。

今後もウクライナ情勢とスポーツ界の対応は注目され続けるでしょう。ミラノ・コルティナ五輪は2月22日まで開催されます。

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