空飛ぶ車とヘリコプターの違いは?メリットとデメリットも詳しく解説

空飛ぶ車とヘリコプターの違いは?メリットとデメリットも詳しく解説
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2025年、大阪・関西万博で大きな注目を集めている「空飛ぶ車空飛ぶクルマ)」は、ボクたちの移動手段に革命をもたらす可能性を秘めています。

とはいえ、その見た目から、

『クルマっていうかヘリコプターっぽくない?』

『空飛ぶクルマとヘリコプターはどう違うの?』

という声も多く聞かれます。(ボクも初見でそう感じました(=゚ω゚)ノ)

ということで、本記事では、空飛ぶ車とヘリコプターの違いを明確にし、そのメリットとデメリットをくわしく解説します

さらに、関西万博で見ることができる空飛ぶ車の最新情報もお届けします。

目次

空飛ぶ車とは?関西万博での展示と現状

出典:EXPO 2025 公式HP ©オリックス株式会社

空飛ぶ車(クルマ)とヘリコプターの違いを解説する前に、

そもそも【空飛ぶ車】( ※関西万博で披露されているもの)とはどういうものなのか?と、万博での現状について解説をしますね。

基礎知識として頭に入れておくことで、本記事の内容全体への理解が深まるはずです。

大阪・関西万博の【空飛ぶクルマ】とは

空飛ぶ車(空飛ぶクルマ)とは、電動化や自動化といった航空技術と垂直離着陸などの運航形態によって実現される、利用しやすく持続可能な次世代の空の移動手段のことです。

クルマのように人々の生活に欠かせない存在となることを目指して「空飛ぶクルマ」と呼ばれています。

大阪・関西万博では、会場内北西部の「モビリティエクスペリエンス」エリアにオリックス株式会社が整備・運営する「EXPO Vertiport」(専用離着陸場)が設置され、複数の空飛ぶクルマによるデモ飛行が行われています。※(現在は停止中、理由は後述)

大阪・関西万博の【空飛ぶクルマ】の現状

2025年4月14日には、開幕後初となるデモ飛行が成功し、万博のマスコットキャラクター「ミャクミャク」カラーをイメージした赤と青の機体が、10メートルほどの高さを7分間飛行しました。

ですが、2025年4月末現在は、すべての空飛ぶクルマの運航が中止されています。

その理由は、2025年4月26日に発生したデモ飛行中の部品落下事故によるものです。

具体的には、米リフト・エアクラフト社製の「HEXA(ヘクサ)」がデモ飛行中に機体の一部(プロペラのモーターやフレーム)が破損し、部品が落下しました。

この事故は観客が立ち入れないエリアで発生し、けが人はいませんでしたが、安全性確保のため、運営側は当面の間すべての空飛ぶクルマの運航を中止する方針を決定。

また、事故発生以前から、他の運航予定グループ(日本航空・住友商事連合など)も技術的・運用上の課題からデモ飛行自体を断念する動きがありました。

さらに、天候不良による中止も過去に複数回発生しており、安全最優先の運用が徹底されています。

現在は、事故原因の調査と機体の安全性確認が完了するまで、展示や飛行は再開されない見通しです。

空飛ぶ車とヘリコプターの違い・どこがどう違うのかを解説

出典:EXPO 2025 公式HP ©Joby Aviation

では、ここから【空飛ぶ車(クルマ)】と【ヘリコプター】の違いについて見ていきましょう。

主な違いは↓の5点

◆動力源と推進システムの違い

◆構造と設計思想の違い

◆運用目的と用途の違い

◆自動化とパイロットの役割

◆インフラ要件の違い

それぞれについて、なるべく要点を抑え、簡潔に分かりやすく解説しますね。

動力源と推進システムの違い

空飛ぶ車(eVTOL)は「電動垂直離着陸機」の略称で、その名の通り電気モーターを動力源としています。

これに対し、従来のヘリコプターは主に内燃機関(ガスタービンエンジンやピストンエンジン)を使用しています。

この動力源の違いが、環境負荷やメンテナンス性に大きな差をもたらします。※(詳しくは後述のメリット・デメリットの項でもお伝えします)

構造と設計思想の違い

空飛ぶ車には複数の種類があり、マルチコプター型や固定翼とローターを組み合わせた固定翼型など様々な設計が存在します。

例えば、関西万博では以下のような異なる設計の機体が展示されています

◆SkyDrive(愛知県豊田市):マルチコプター型機「SKYDRIVE(SD-05)

◆ANAホールディングスと米Joby Aviation:固定翼型機「Joby S4(JAS4-1)

◆JALと住友商事の共同設立会社Soracle:米Archer Aviationの固定翼型機「Midnight(M001)

◆丸紅:英Vertical Aerospaceの固定翼型機「VX4(VA1-100)

一方、ヘリコプターは一般的にメインローターとテールローターの組み合わせという、ほぼ標準化された構造を持っています。

運用目的と用途の違い

空飛ぶ車は「クルマのように人々の生活に欠かせない存在」となることを目指しています。

つまり、空飛ぶ車は一般の移動手段として日常的に利用されることを想定しているということです。

対してヘリコプターは特殊用途(救急医療、災害救助、報道取材など)に特化した乗り物として位置づけられています。

自動化とパイロットの役割

空飛ぶ車は自動化技術を積極的に取り入れ、将来的には完全自動運転を目指している点も特徴です。

ヘリコプターは熟練したパイロットによる操縦が基本で、自動化の程度は限定的となっています。

インフラ要件の違い

空飛ぶ車は「バーティポート(Vポート)」と呼ばれる専用の離着陸場を使用します。

これは単なる着陸パッドではなく、充電設備や乗客用ラウンジなどを備えた総合施設です。

この施設は国土交通省の「バーティポート整備指針」に準拠し、複数の機体の運用に対応している点で、国内初の本格的な施設です。

ヘリコプターが使用するヘリポートとは規模や設計思想が異なります。

空飛ぶ車のメリット&今後に期待されること

出典:EXPO 2025 公式HP ©Archer Aviation Inc.

◆環境負荷の低減

◆騒音の低減

◆移動時間の短縮と効率化

◆新たなモビリティネットワークの創出

◆災害時の機動性

環境負荷の低減

空飛ぶ車(eVTOL)は電動推進システムを採用しているため、運用時にはCO₂を排出せず、従来の内燃機関を持つヘリコプターや自動車と比べて環境負荷が大幅に低減されます

特に、再生可能エネルギー(太陽光や風力など)から電力を供給すれば、運用全体での温室効果ガス排出量をさらに削減できる点が大きな特長です。

ただし、空飛ぶ車も電力を生産する過程で間接的に温室効果ガスを排出する場合がありますが、再生可能エネルギーの利用が拡大すれば、その環境負荷は今後ますます小さくなるとされています。

さらに、空飛ぶ車(eVTOL)は都市部の渋滞緩和や物流効率化にも寄与し、持続可能な都市交通インフラの一翼を担うことが期待されています。

騒音の低減

空飛ぶ車(eVTOL)は電動モーターを採用することで、従来のヘリコプターに比べて騒音レベルが大幅に低減されています。

具体的には、離着陸時の騒音値が約65dBと、ヘリコプターと比べて1000分の1以下の音圧レベルに抑えられており、都市部での運用時でも騒音問題を最小限にできます。

また、兵庫県の実証実験では、空飛ぶ車の騒音はヘリコプターよりも瞬間値で3~19dB、時間平均値で5~12dB低いことが確認されています。

この騒音低減は、電動モーターの静粛性に加え、プロペラ設計や回転数制御などの技術進歩によるものです。

さらに、JAXAなどが開発する低騒音プロペラ技術も導入されつつあり、今後は音の「大きさ」だけでなく「耳障りさ」も抑えた設計が進む見通しです。

これらの特性により、空飛ぶ車(eVTOL)は都市部や住宅地近郊でも現実的な交通手段として期待されています。

移動時間の短縮と効率化

空飛ぶ車(eVTOL)は、道路インフラや交通渋滞の影響を受けずに直線的な空中移動ができるため、都市内外の移動時間を大幅に短縮できます。

例えば、大阪万博会場から新大阪駅までの移動は、従来の車や電車では40分~1時間かかるところ、空飛ぶ車なら約15分で到着可能とされています。

また、成田空港から横浜駅までの移動も、電車やバスでは1.5~2時間かかるのに対し、空飛ぶ車なら約30分に短縮できる見込みです。

空飛ぶ車(eVTOL)は時速300km以上で移動できる機体もあり、従来の交通手段と比べて最大で5倍近い効率化が期待されています。

さらに、垂直離着陸が可能なため、都市部のビル屋上や駅近くなど、柔軟な場所に専用の離着陸場(バーティポート)を設置でき、地上の道路インフラに依存しない点も大きなメリットです。

このように、空飛ぶ車は都市部の渋滞回避や移動効率化だけでなく、過疎地や離島など既存インフラが乏しい地域でも新たな移動手段として活用が期待されています。

今後は、離着陸場や管制システムなど関連インフラの整備が進めば、より多くの人が短時間で効率的に移動できる社会の実現が見込まれます。

新たなモビリティネットワークの創出

空飛ぶ車(eVTOL)は、鉄道やバス、自動車など既存の交通手段と連携することで、より柔軟で効率的なモビリティネットワークを実現できる可能性があります。

鉄道駅やバスターミナルと隣接するバーティポート(離着陸場)を設置することで、乗り換えの利便性が向上し、駅インフラ(待合室やトイレ、充電設備など)も共用できるため、都市部や観光地でのシームレスな移動が可能となるでしょう。

実証実験では、新幹線駅から観光地までの移動に空飛ぶ車を組み合わせることで、従来2時間かかっていた移動を20分に短縮できるケースも確認されています。

また、交通インフラが十分でない地域や離島においても、空飛ぶ車は新たな移動手段として有効です。

地上交通の制約を受けずに高速で移動できるため、既存の交通ネットワークの「ラストワンマイル」や「ラストテンマイル」を補完し、アクセス性の向上に貢献します。

さらに、統合型モビリティアプリケーションの導入により、利用者は出発地から目的地まで最適な交通手段を組み合わせて選択できるようになり、所要時間やコスト、利便性、持続可能性などを総合的に比較・判断できるようになるとのこと。

このような新しいモビリティネットワークの構築は、都市部だけでなく、交通が不便な地域や観光地など多様な場面での移動体験を大きく変える可能性があります。

災害時の機動性

空飛ぶ車(eVTOL)は、地震や洪水などで道路や鉄道が寸断された際、空中を移動できるため、被災地への迅速なアクセスが可能です。

小型かつ垂直離着陸ができるため、大規模な滑走路を必要とせず、狭い場所や障害物が多い現場にも着陸できる柔軟性があります。

この特性により、救援物資や医薬品の輸送、負傷者の搬送、被災状況の空中からの把握、孤立した被災者の救助など、災害対応のさまざまな場面で活用が期待されているのです。

また、空飛ぶ車はヘリコプターよりも構造がシンプルで低コスト、低騒音であるため、より多くの現場での運用が可能になると予想されています。

今後、自動運転や遠隔操作技術が進めば、危険な場所への無人での調査や救援活動も可能になり、災害時の機動性と安全性がさらに向上するでしょう。

空飛ぶ車のデメリット&今後の課題

出典:EXPO 2025 公式HP ©Vertical Aerospace

◆技術的課題

◆法規制とインフラ整備の課題

◆気象条件による制約

◆初期導入コストの高さ

◆社会的受容性の課題

技術的課題

空飛ぶ車(eVTOL)の技術的課題として、まずバッテリー技術の制約が挙げられます。

現状のバッテリーはエネルギー密度が限られているため、航続距離や飛行時間が短く、長距離や長時間の運航には不向きです。

また、バッテリーの充電や交換に時間がかかることや、低温環境下での性能低下も課題となっています。

安全性確保の面では『もしも』への備えが不可欠です。複数のモーターやバッテリーのうち、1つが故障しても他で補える設計が求められています。

さらに、自動監視や緊急時の自動着陸システム、衝突回避技術なども導入が進められており、万が一のトラブル時にも安全を維持できる体制が重要です。

今後は、バッテリーのエネルギー密度向上や充電インフラの整備、高度な自律飛行・制御システムの開発が、空飛ぶ車の実用化と普及のカギとなります。

法規制とインフラ整備の課題

空飛ぶ車の普及には、航空法などの法規制整備と、バーティポート(離着陸場)などのインフラ整備が不可欠です。

現行の航空法施行規則は従来の航空機を前提としていたため、空飛ぶ車の特徴(電動化やマルチローター、垂直離着陸など)に対応するための改正が進められています。

2023年には、空飛ぶ車の型式ごとの安全基準や運航基準、騒音基準、操縦者の技能証明、救命胴衣の装備義務など、8項目にわたる規則改正が行われました。

インフラ面では、バーティポートの設計や安全基準も国土交通省が指針を定めており、2025年の大阪・関西万博で国内初の本格的なバーティポート(EXPO Vertiport)が整備されました。

この施設は、今後の全国展開に向けたモデルケースとなりますが、全国規模での整備には多額のコストと時間がかかることが課題です。

また、バーティポートの立地選定や地域住民との合意形成、既存交通インフラとの連携も重要な検討事項となっています。

今後は、機体の安全性や運航ルール、インフラの整備基準などを国際的な動向も踏まえて柔軟に整備し、社会受容性を高めながら段階的な普及を進める必要があります。

気象・天候の条件による制約

空飛ぶ車は、従来のヘリコプターと同様に気象条件による大きな制約を受ける乗り物です。

特に、強風や雨、雷などの悪天候下では安全性が大きく損なわれるため、運航が制限されることが多くなります。

実例として、2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博でも、目玉展示の一つである「空飛ぶクルマ」のデモ飛行が悪天候のため初日に中止となりました。

その具体的な理由は、予想外の強風や突風の可能性が指摘され、運航基準を満たさなかったため、乗客や観客の安全を最優先に飛行断念が決定されたとのこと。

今後、機体の改良や新しい飛行方式の開発が進めば、悪天候下でも飛行できるようになることが期待されていますが、当面は気象条件に大きく左右される運用が続く見込みです。

初期導入コストの高さ

空飛ぶ車の初期導入コストは、機体製造や安全認証、インフラ整備などに多額の費用がかかるため非常に高額になります。

例えば、機体価格は数億円規模で、離着陸場や充電設備の整備にも多額の投資が必要です。

運用コストも高く、初期段階では1回の飛行に約15万円かかる場合もあります。

将来的には量産効果や技術の進歩でコストは大幅に下がる見込みですが、普及には時間がかかるため、当面は高コストが課題となります。

社会的受容性の課題

空飛ぶ車の社会的受容性には、さまざまな課題があります。

まず、安全性への不安が大きく、事故やトラブルへの懸念が根強いことがアンケート調査でも明らかになっているとのことです。

また、空飛ぶ車が住宅地上空を飛行することで、ドローンと同様に住居や生活空間が撮影されるリスクがあり、プライバシー権や肖像権の侵害が懸念されています。

さらに、都市景観への影響も指摘されていて、騒音や視覚的な圧迫感、空域の混雑などが、住民の生活環境や都市の美観にどのような影響を与えるかについても慎重な検討が必要です。

まとめ:空飛ぶ車とヘリコプターの違い・メリットとデメリット

出典:EXPO 2025 公式HP ©SkyDrive

空飛ぶ車は、電動化・自動化技術を駆使した次世代の空の移動手段です。

従来のヘリコプターとは動力源、構造、用途、自動化レベル、インフラ要件などで大きく異なります。

環境負荷の低減、騒音の低減、移動時間の短縮といったメリットがある一方で、技術的課題、法規制・インフラ整備の課題、コストの問題などのデメリット・課題も存在しているのが現状です。

2025年の大阪・関西万博では、複数の企業が空飛ぶ車のデモ飛行を実施し、その実用性と可能性を広く社会に示そうとしています。

この万博での経験は、空飛ぶ車の社会実装に向けた重要なマイルストーンとなるでしょう。

空飛ぶ車が私たちの生活の一部となる日は、もしかしたら遠い未来の話ではないのかもしれません。

関西万博を訪れる機会がある方は、ぜひ「モビリティエクスペリエンス」エリアで未来の移動手段を体感してみてください。

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