朝ドラ『ばけばけ』はいつの時代?時代設定・背景を分かりやすく解説

朝ドラ『ばけばけ』はいつの時代?時代設定・背景を分かりやすく解説
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2025年秋に放送が始まったNHK朝ドラ『ばけばけ』は、明治時代後期を舞台に繰り広げられる物語です。

具体的には1890年(明治23年)頃からの約10年間がメインとなっており、日本が急速に西洋化・近代化を進める激動の時代を背景としています。

本記事は、ドラマ『ばけばけ』の時代設定について詳しく解説する記事です。

当時の日本と世界がどのような状況だったのか、時代背景を知ることでドラマをより深く楽しむためのポイントを一緒に見ていきましょう。

目次

『ばけばけ』の具体的な時代設定

朝ドラ『ばけばけ』の物語は、明治23年(1890年)から明治30年代前半(1900年頃)にかけての約10年間を中心に展開されます。

この時期は、日本史上でも特に劇的な変化を遂げた時代として知られる時代です。

物語の出発点は、ラフカディオ・ハーンが来日した1890年(明治23年)4月。ハーンは最初に横浜に到着し、その後8月に松江の島根県尋常中学校の英語教師として赴任しました。

そしてその翌1891年(明治24年)2月に、後の妻となる小泉セツと出会うことになります。

ドラマでは、この実史を基にしながら、フィクションとして再構成された物語が展開されていきます。

明治維新から約20年が経過し、日本が本格的な近代国家への道のりを歩み始めた重要な転換点の時代なのです。

『ばけばけ』の時代:明治23年という時代の日本

政治的背景:立憲政治の始まり

1890年(明治23年)は、日本の政治史上極めて重要な年でした。

11月29日に第1回帝国議会が開会し、近代的な議会政治がスタート。

これは明治22年(1889年)2月11日に発布された大日本帝国憲法に基づくもので、日本が名実ともに立憲国家として歩み始めた瞬間でもあります。

帝国議会は貴族院と衆議院の二院制で、初代貴族院議長は伊藤博文、衆議院議長は中島信行が務めました。

この年の内閣総理大臣は山縣有朋で、日本は西欧諸国に追いつくべく富国強兵政策を推進していきます。

社会的変革:士族の没落と庶民の生活

明治維新により、それまでの身分制度が廃止され、四民平等が建前となりました。

しかし、実際には旧武士階級である士族の多くが没落し、新しい時代に適応できずに苦しむことになります。

1876年(明治9年)には廃刀令により武士の帯刀が禁止され、秩禄処分によって士族への給料支給が停止。

代わりに金禄公債証書が発行されましたが、多くの士族がこれを元手にした商売に失敗し、「士族の商法」「武家の商法」と呼ばれる現象が生まれました。

明治23年の時点で、士族は全人口の約5.5%を占めていましたが、その多くは経済的困窮に陥ってるという状況。

ドラマのヒロイン・松野トキの家庭もこうした没落士族の典型例として描かれています。

文明開化の実態

明治時代の文明開化は、西洋文明の導入によって日本の制度や習慣が大きく変化した現象を指します。

しかし、この変化は主に都市部に限定されており、農村部への浸透は限定的でした。

1872年(明治5年)には新橋-横浜間で日本初の鉄道が開通し、1890年(明治23年)12月には東京-横浜間で電話事業が開始されます。

ガス灯が街を照らし、洋風建築が建ち並び、人力車が走る銀座の街並みは、まさに文明開化の象徴でした。

一方で、庶民の生活は依然として和風が中心の生活スタイル。

明治時代の庶民は1日3食を基本とし、ちゃぶ台を囲んで家族で食事をするスタイルが一般的になりました。

住居は日本家屋のままで、洋服よりも着物が主流となっています。

『ばけばけ』の時代背景:1890年代の世界情勢

帝国主義時代の到来

1890年代の世界は、帝国主義時代の真っ只中です。

列強各国は植民地獲得競争を繰り広げており、アジア・アフリカの多くの地域が欧米諸国の支配下に置かれていました。

当時の世界五大国は、イギリス、ロシア、フランス、オーストリア、プロイセン(後のドイツ)の五つの国。

その中でもイギリスは「世界帝国」として圧倒的な力を持ち、世界中に植民地を保有していました。

ヨーロッパの政治情勢

ドイツでは1888年に即位したヴィルヘルム2世が、1890年3月にビスマルクを辞任に追い込み、新たな世界政策を開始しました。

これにより、それまでのヨーロッパの勢力均衡が崩れ始めました。

フランスでは第三共和政が継続しており、ロシアは農奴制廃止(1861年)後の近代化を進めていました。

アメリカは南北戦争(1861-1865年)終結後の急速な経済成長期にあり、1890年代にはフロンティアの消滅が宣言され、海外進出への転換点を迎えていました。

アジア情勢と日本の立ち位置

アジアでは、1840年のアヘン戦争以降、清国(中国)が次々と不平等条約を結ばされ、列強の半植民地状態となっていました。

日本も1854年のペリー来航以降、開国を余儀なくされましたが、明治維新により独立を維持し、逆に列強の仲間入りを目指していました。

1894年(明治27年)には【日清戦争】が勃発し、日本が勝利することで東アジアの勢力図が大きく変わることになります。

これは『ばけばけ』スタート直後の時代設定からは少し後の出来事ですが、すでにその兆候は1890年代初頭から見られていました。

『ばけばけ』の時代:当時の文化と民話・怪談の世界

民話と怪談の文化的背景

明治時代の日本では、急速な西洋化の一方で、古来からの民話や怪談が庶民の間で語り継がれていました。

特に地方では、自然崇拝や祖霊信仰に基づく様々な怪談が存在し、それらは地域の文化や風土と深く結びついていたようです。

江戸時代に庶民の娯楽として発展した「百物語」のような怪談を語り合う文化は、明治時代にも継承されていきます。

浮世絵や歌舞伎でも怪談が題材として取り上げられ、『四谷怪談』などの名作が生まれました。

小泉八雲と日本文化の発見

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、こうした日本の伝統的な怪談や民話に深い興味を示しました。

彼は妻のセツから聞いた様々な民話や怪談を英語で再話し、『知られぬ日本の面影』(1894年)や『怪談』(1904年)などの作品として世界に紹介したのです。

八雲の作品は、単なる怪談集ではなく、西洋化によって失われつつあった日本の精神文化や美意識を記録した貴重な文化遺産でもありました。

彼は日本の自然と人間の関係、死者と生者の結びつき、季節感や美意識など、日本人の心の奥底にある価値観を鋭く観察し、文学として昇華させたのです。

『ばけばけ』の時代:庶民の日常生活

衣食住の変化

明治23年頃の庶民の生活は、伝統的な日本の暮らしと西洋文化が混在する過渡期でした。

衣服については、男性は散髪令により髷を切ることが義務付けられ、短髪に山高帽というスタイルが一般化します。

しかし、日常着は依然として着物が主流で、洋服は上流階級や官吏、軍人などに限定されていました。

食生活では、明治初期に肉食が解禁され、牛鍋(現在のすき焼き)が庶民の間でも人気となります。

また、1875年に発売された木村屋のあんパンも新しい食文化の象徴です。食事スタイルも、個人用の膳から家族でちゃぶ台を囲むスタイルに変化しました。

住環境については、庶民の住宅は依然として日本家屋が中心でしたが、ランプやマッチなど便利な道具が普及し、生活の質が向上。

風呂は各家庭にはなく、銭湯通いが一般的でした。

時間感覚の変化

1873年(明治6年)に太陽暦が採用され、1日24時間制が導入されました。

これにより、日本人の時間感覚は「自然の時間」から「人工的な時間」へと大きく変化します。

時計が一般家庭にも普及し始め、規則正しい生活リズムが求められるようになりました。

しかし、農村部では依然として太陽の動きに合わせた生活が続いており、都市部と農村部の生活様式には大きな格差があったようです。

『ばけばけ』の時代:松江という舞台の特殊性

城下町としての伝統

松江は江戸時代から続く城下町で、出雲神話の舞台でもある島根県の中心都市。

松江城を中心とした武家屋敷群や、宍道湖の美しい自然環境は、日本の伝統的な美意識を色濃く残す場所でした。

明治維新後も、松江は急激な西洋化の波からは比較的離れており、古い日本の文化や風習が保たれていたようです。

このような環境が、外国人であるハーンにとって「真の日本」を発見する舞台として最適だったと考えられます。

怪談と民話の宝庫

出雲地方は古来より神話や伝説の宝庫として知られ、数多くの怪談や民話が語り継がれてきました。

八重垣神社、松江城、神魂神社など、歴史的な神社仏閣も多く、霊的・神秘的な雰囲気を持つ土地柄。

こうした環境の中で、セツは幼い頃から様々な民話や怪談に親しんでおり、それらを八雲に語って聞かせることで、世界的な文学作品の誕生に貢献したのです。

『ばけばけ』の時代:国際結婚という先進性

当時の国際結婚事情

1890年代の日本では、外国人との結婚は極めて稀でした。

セツとハーンの結婚は、日本で191番目の国際結婚だったという記録が残っています。

当時は外国人に対する偏見や差別も強く、国際結婚をする日本人女性は社会的な困難を覚悟する必要がありました。

セツとハーンの結婚は、1891年に事実婚として始まり、1896年にハーンが日本国籍を取得してセツの戸籍に入る形で正式に成立しています。

これは当時としては非常に進歩的な出来事でした。

文化的な架け橋としての役割

セツは単なる家庭の主婦ではなく、日本文化を世界に伝える重要な役割を果たしました。

彼女が語る民話や怪談、日常の風習や季節感などが、ハーンの文学作品の源泉となったのです。

セツとハーン、二人の関係は、異文化理解と交流の先駆的な事例として、現代でも多くの示唆を与えてくれます。

まとめ:朝ドラ『ばけばけ』はいつの時代?時代設定・背景について

朝ドラ『ばけばけ』は、明治23年(1890年)頃から明治30年代前半にかけての約10年間、日本が急速な近代化を遂げる激動の時代を背景としています。

この時期は帝国議会の開設、文明開化の進展、士族の没落など、現代日本の基盤が形成された重要な転換点です。

世界的には帝国主義時代の真っ只中で、日本は西洋列強の仲間入りを目指して富国強兵政策を推進していました。

このような時代背景を知ることで、ドラマの登場人物たちが置かれた状況や心情をより深く理解でき、作品をより豊かに楽しむことができるはずです。

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