プロ野球ファンなら一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
なぜパ・リーグ(パシフィック・リーグ)では平日の昼間に試合(デーゲーム)が行われているのか。
多くの人が仕事や学校で忙しい時間帯にもかかわらず、パリーグ各球団は「平日デーゲーム」を開催しています。
一方、セリーグ(セントラル・リーグ)ではほとんど見られないこの現象には、パリーグならではの戦略や経営方針が隠されているようです。
本記事では、
【プロ野球】パリーグの平日デーゲームでの試合開催はなぜ?理由を解説
と題しまして、パリーグが平日デーゲームを重視する理由や効果について、データを交えながら詳しく解説します。
パ・リーグの平日デーゲーム開催の実態
パ・リーグでは、各球団が年間スケジュールの中で複数の平日デーゲームを組み込んでいます。
平日の日中、主に13時開始、もしくは14時プレイボールで行われることが多いです。
パ・リーグ6球団はそれぞれに独自の平日デーゲーム戦略を展開しています。
福岡ソフトバンクホークスは「ホークスデーゲーム」として、千葉ロッテマリーンズも「ウィークデーゲーム」と銘打って平日デーゲームを実施。
また、北海道日本ハムファイターズや埼玉西武ライオンズも、春や秋の気候の良い時期を中心に複数の平日デーゲームを設定しています。
オリックス・バファローズと東北楽天ゴールデンイーグルスは他球団と比較するとやや少ないものの、シーズン中に複数回の平日デーゲームを組み込んでいるという状況です。
なぜパリーグは平日デーゲームを開催するのか?
◆新規ファン層の獲得戦略
◆球場特性と地域性の活用
◆独自の経営戦略とテレビ放映権の関係
◆学生の職業体験などを実施
新規ファン層の獲得戦略
パ・リーグが平日デーゲームを積極的に開催する最大の理由は、新たなファン層の開拓にあります。
平日夜のナイトゲームには来場が難しい以下のような層にアプローチできるメリットがあります。
- 子育て世代の親子(学校終了後に観戦できる)
- シニア層(夜間の外出を避けたい高齢者)
- 交代制勤務の方々(夜勤の人など)
- 観光客(日中の観光プランの一部として組み込める)
中でも、親子連れやファミリー層の取り込みは重要な戦略となっています。
子どもたちが幼少期から野球観戦の楽しさを体験することで、将来の安定したファン基盤の構築につながると考えられています。
球場特性と地域性の活用
パリーグには以下のような特徴を持つ本拠地球場が多くあります。
- ドーム球場(ソフトバンク、日本ハム、オリックス、埼玉西武)
- 都心部からやや離れた場所に位置する球場が多い
ドーム球場は天候に左右されず計画的に試合を開催できるため、平日デーゲームでも「雨天中止」のリスクが低く、安定した興行が可能です。
また、都心部からやや離れた球場の場合、ナイトゲームで試合が長引くと最後まで観戦できずに帰宅しなければいけない人も出てきます。
ですが、デーゲームであれば、時間を気にすることなく野球観戦を楽しむことができるが良い点です。
独自の経営戦略とテレビ放映権の関係
パリーグはセリーグと比較すると、テレビ放映による収入が少ない傾向にあると言われています。
巨人戦の放映権が高額とされるセリーグとは異なり、パリーグは球場収入やグッズ販売などの直接的な収益に依存する部分が大きいそうです。
そのため、様々な時間帯・曜日で試合を開催することで、多様な観客層を取り込み、収入機会を最大化する戦略を取っています。
平日デーゲームはその一環であり、以下のようなメリットがあります
- ナイター中心の日程では来場できない層の取り込み
- 「ランチパック付きチケット」など昼間ならではの消費促進
- インターネット中継に特化した配信で新たな視聴者層の獲得
福岡ソフトバンクホークスのケースでは、平日デーゲームでも平均して1万5000人前後の観客を集めることに成功していると報告されおり、これは平日の昼間としては高い集客力といえます。
学生の職業体験などを実施
直近の例で見てみますと、2025年5月13日・14日には東北楽天ゴールデンイーグルスが宮城県内の小中学生を対象にした職業体験を実施しています。
約300人の学生が球場内の様々な仕事を体験しました。
デーゲームの今日は、小・中学生のお仕事体験や学生の観戦招待を開催👦🏻👧🏻⚾
— 東北楽天ゴールデンイーグルス (@Rakuten__Eagles) May 13, 2025
楽天モバイルパーク宮城で様々な体験をしてもらいました🏟✨
「楽天イーグルス 弟子入り体験・職場体験」「楽天イーグルス 学校観戦プログラム」は明日も開催します!#RakutenEagles#キ! pic.twitter.com/gQ3aElDKDi
このような取り組みには、地元地域との繋がりの強化、社会貢献などの意味合いと、体験を通じて野球やチームに興味を持つ人が増えるというメリットもあるそうです。
平日デーゲームに関するパリーグとセリーグの違い
◆セ・リーグ球団の球場立地
◆テレビ放映権の価値と視聴率重視
◆伝統のセと革新のパの違い
セ・リーグ球団の球場立地
セ・リーグの球団は、東京(読売ジャイアンツ、東京ヤクルトスワローズ)、横浜(横浜DeNAベイスターズ)、名古屋(中日ドラゴンズ)、大阪・兵庫(阪神タイガース)、広島(広島東洋カープ)など、大都市の中心部や近郊に本拠地を構えています。
これらの地域では平日の昼間はオフィスワーカーが多い場所もあり、観客動員が難しいという事情もあるようです。
とはいえ、平日休みの人や平日にしか来れない人も多いので、セリーグでも平日デーゲームを開催すれば観客は集まりそうな気がします。(阪神タイガースであれば甲子園に3万人くらいは集まりそう)
テレビ放映権の価値と視聴率重視
セリーグ球団は放映権収入が大きな収入源となっていると言われています。
巨人戦は伝統的にゴールデンタイムでの放送が多く、視聴率を確保するためにプライムタイムでの試合開催を優先する傾向がありました。(最近は地上波での放送はめっきり減りましたが・・)
関西地区では、阪神タイガースのホームゲームを中心に、平日のナイター中継を地上波テレビ局がよく放送しています。
業界関係者によると、セリーグは一試合あたりのテレビ放映権料がパリーグの約2〜3倍という報告もあり、この差が経営戦略の違いにつながっているとの見方もあります。
伝統のセと革新のパの違い
セ・リーグは伝統的に保守的なイメージがあります。
一方、パリーグはDH制の導入やプレーオフ制(現在のクライマックスシリーズにあたるもの)を先んじて開始していたりと、固定概念にとらわれないイメージです。
平日デーゲームに関しても、現在はパリーグだけが開催していますが、今後もしかしたらセリーグでも取り入れることがあるかもしれませんね。
平日デーゲームの効果と観客データ
◆観客動員数から見る成果
◆ファン層の変化と多様化
観客動員数から見る成果
平日デーゲームの観客数はナイトゲームと比較すると少ない傾向にありますが、その差は年々縮まってきているとのこと。
球団や対戦カードによっては、平日でも高い集客力を示す例が増えています。
例えば、福岡ソフトバンクホークスの平日デーゲームでは、「お弁当付きチケット」などのプロモーションを実施することで、平日昼間にもかかわらず賑わいを見せているそうです。
特に春休みや夏休み期間中は、親子連れの観客が増加し、通常の平日よりも多くの観客が訪れる傾向があります。
ファン層の変化と多様化
平日デーゲームの観客層分析からは、以下のような特徴が見られます:
- 女性観客の比率が高い(平日ナイターの約1.5倍)
- 親子連れが多い(特に未就学児と小学生)
- シニア層の参加率が高い(65歳以上の割合が約2倍)
- 修学旅行や校外学習での団体観戦も見られる
これらの層はプロ野球の従来のメインとなっている観客層(20〜50代の男性)とは異なるため、新たなマーケット開拓に成功していると評価できます。
とくに女性ファンの獲得はグッズ販売や飲食物の消費パターンにも変化をもたらしており、球団経営にプラスの効果をもたらしています。
平日デーゲームをめぐる課題と今後の展望
◆デジタル技術の活用と新たな観戦スタイル
◆地域社会との連携強化
デジタル技術の活用と新たな観戦スタイル
テレワークやフレックスタイム制の普及により、働き方が多様化する中、平日デーゲームの可能性はさらに広がっていると言えるでしょう。
球団側も「リモートワーク観戦席」の設置や、Wi-Fi環境の強化など、新しい観戦スタイルに対応する取り組みを始めています。
地域社会との連携強化
平日デーゲームは地域社会との連携を深める機会にもなっています。
学校行事との連動や、地元企業の福利厚生プログラムとしての活用など、地域に根ざした取り組みが増えているのです。
先ほどご紹介した東北楽天ゴールデンイーグルスと同じく、千葉ロッテマリーンズも地元の学校との連携で「スクールデーゲーム」を実施し、教育的な側面からも平日デーゲームの価値を高めています。
これまでの平日デーゲーム開催で集まった生の声や様々なデータを元に、今後も継続していくのか、開催頻度をどうするのか、などを決めていくことになりそうです。
まとめ:【プロ野球】パリーグの平日デーゲームでの試合開催はなぜ?
プロ野球・パリーグが平日デーゲームを積極的に開催する理由は、新たなファン層の開拓、地域社会との連携強化、独自の経営戦略など様々な要因によるものです。
今のところはパリーグ独自の戦略として定着してきています。
今後はどのような形になっていくのか、セリーグでの取り組みは始まるのかにも注目ですね。
この記事を読んでくれている野球ファンの皆さんも、チャンスがあれば平日デーゲームの独特な雰囲気を体験してみてはいかがでしょうか。

